『僕のヒーローアカデミア』を読む:子どもたち秩序と混沌に立つ

本稿の内容 ・「ヒロアカ」社会状況の整理と問題 ・オールマイト以後の時代はどうなるのか ・緑谷〜爆豪ラインの整理 (1)オールマイトという秩序 (2)オールマイト以後 (3)子供たち ⑶-ⅰ 緑谷出久 ⑶-ⅱ 爆豪勝己 (4)総括 (1)オールマイトという…

君は「国立奥多摩美術館」を知っているか

話は一昨年にさかのぼる。 当時私は「サウダーヂ」という映画が見たくてたまらなかった。 rinriko-web.hatenablog.com 山梨を舞台に土方の青年たちを描いた凄まじい映画なのだが(感想はリンク参照)、この映画の製作者であるグループ「空族」は方針として作…

生きるのが少し楽になるBLレビュー

生きているとしばしば自分が許せなくなることがある。そういう時はとてもつらい。何かをしていても落ち着かない。自分はこれでいいのか、生きていてもいいのか。考え出しても答えが出るわけがない、そもそも問う意味もないような質問にとらわれてしんどい時…

左門くんはサモナーが終わってしまった

※ネタバレ注意 「左門くんはサモナー」が終わってしまった。 nlab.itmedia.co.jp 沼駿「左門くんはサモナー」は、ジャンプで連載されていたコメディ漫画だ。こういう記事を書くぐらいには、私はこの漫画に強い思い入れを持っていて、ジャンプの読者アンケー…

プリパラ劇中歌レビュー(2) 私は私の道を行く

rinriko-web.hatenablog.com 前回(といっても1年半前)に書いた記事がわりと好評であることに今更気付かされたため、続きを執筆してみようという気になった。 プリパラの劇中歌のクオリティは一期から極めて高いものだったが、前回から1年半の時を経て素晴…

映画「サウダーヂ」感想

※ラスト含めネタバレ満載ですのでご注意ください。 小学生の頃、ルイス・サッカーの「穴」という小説が大好きだった。無実の罪でグリーン・レイク・キャンプという少年院に送られた主人公がえんえんと懲罰のために穴を掘り続ける話だ。死ぬほど好きだったは…

私が許せなかった国と体、あるいはPerfumeという祝福について

※2015/11/23にnoteに投稿した記事の移行版。内容改変なし Perfumeワールドツアー3rdのドキュメンタリー「WE ARE PERFUME」を見た。Perfumeとは、何だろう?Perfumeの映画を見ながら、私は不思議と自分について考えていた。先にいっておくけど、私はこういう…

プリパラ劇中歌レビュー 攻撃、意志、多様性

※2015/09/06にnoteに投稿した記事の移行版 内容改変なし TVアニメ「プリパラ」は、すべての少女をアイドルに変えるサイバー空間「プリパラ」を舞台にしたアニメーションである。あらすじから漂う気配の通り女子小学生がメインターゲットなのだが、ところがど…

底抜けに明るい地獄「血界戦線」

※2015/07/15にnoteに投稿した記事の移行版 内容改変なし 血界戦線のどこが良いかと聞かれたら、それはやっぱり人間である。私は人間が好きなんだと思う。血界戦線ではちゃんと人間が人間で、社会が社会だから、より生々しい「倫理」が味わい深いのだ。血界戦…

物語世界構造/舞城王太郎「JORGE JORSTAR」の証明

※2015/06/12にnoteに投稿した記事の移行版 内容改変なし 物語は世界である。わたしたちの生きている世界と同じように、人が生き、暮らし、空が変わり、雨も降るし気温も上がったりする、そういう世界である。もちろんそうでない世界もあるが、それだって多元…