ユリイカ2018年11月号に寄稿しました

お久しぶりです。 紙媒体の仕事の告知です。 青土社 ||ユリイカ:ユリイカ2018年11月号 特集=K-POPスタディーズ ユリイカ 2018年11月号 特集=K-POPスタディーズ ―BTS、TWICE、BLACKPINKから『PRODUCE101』まで…いま〈韓国音楽〉になにが起きているのか― 作…

「想像上の他者の人生」と向き合うということ

※昨年の日付で保存されていた文章が少し面白かったので公開 ここ1年ほど、あるアーティストを好きになって追いかけ始めたのだが、時折どうしようもなくつらくなった。実在する人間にハマったことが本当に久しぶりで、生きている人間を「追う」ことの難しさに…

『僕のヒーローアカデミア』を読む:子どもたち秩序と混沌に立つ

本稿の内容 ・「ヒロアカ」社会状況の整理と問題 ・オールマイト以後の時代はどうなるのか ・緑谷〜爆豪ラインの整理 (1)オールマイトという秩序 (2)オールマイト以後 (3)子供たち ⑶-ⅰ 緑谷出久 ⑶-ⅱ 爆豪勝己 (4)総括 (1)オールマイトという…

親友の結婚式で何を語るか:「死ぬまで一緒に遊ぶ」可能性について

最近、親友への愛をどうしていいかわからず困っている、というメッセージを立て続けに頂きました。 一枚め(仮にAさんとします)の場合は、しょっちゅう会うわけではないけれどとても大事に思っている友達(確か以前の質問箱ではそう書いていらっしゃいまし…

君は「国立奥多摩美術館」を知っているか

話は一昨年にさかのぼる。 当時私は「サウダーヂ」という映画が見たくてたまらなかった。 rinriko-web.hatenablog.com 山梨を舞台に土方の青年たちを描いた凄まじい映画なのだが(感想はリンク参照)、この映画の製作者であるグループ「空族」は方針として作…

生きるのが少し楽になるBLレビュー

生きているとしばしば自分が許せなくなることがある。そういう時はとてもつらい。何かをしていても落ち着かない。自分はこれでいいのか、生きていてもいいのか。考え出しても答えが出るわけがない、そもそも問う意味もないような質問にとらわれてしんどい時…

読書の秋なので手軽に読める日本中世史本を貼っていく

序:基礎的なことをやりたい人向け本 ◯そもそも日本史選択ではなかった、あるいは忘れた、あるいは勉強したが何か基本的な情報を手元で確認できる本がほしい人 『詳説日本史研究』 詳説日本史研究 作者: 佐藤信 出版社/メーカー: 山川出版社 発売日: 2017/08…

私とおじさん

仲のいいおじさんがいる。 おじさんと呼んでいるが、実際は高校時代の英語の先生だ。普通なら先生と呼ぶべきなんだろうが、私はおじさんをおじさんと呼ぶし、敬語も使わない。 おじさんはすごく不思議な人で、言語学者である。14世紀のラテン語とか、中世…

怒りは悪なのか、それは個人的な問題なのか

「不快にさせたことをおわびする」 「誤解を招く発言があったことをおわびする」 これらは何かと良く聞くフレーズで、「不適切」な言動があったときに批判された人が口にしがちである。謝罪の形を取ってはいるが内実としては全く謝罪になっていない。 なぜな…

左門くんはサモナーが終わってしまった

※ネタバレ注意 「左門くんはサモナー」が終わってしまった。 nlab.itmedia.co.jp 沼駿「左門くんはサモナー」は、ジャンプで連載されていたコメディ漫画だ。こういう記事を書くぐらいには、私はこの漫画に強い思い入れを持っていて、ジャンプの読者アンケー…

プリパラ劇中歌レビュー(2) 私は私の道を行く

rinriko-web.hatenablog.com 前回(といっても1年半前)に書いた記事がわりと好評であることに今更気付かされたため、続きを執筆してみようという気になった。 プリパラの劇中歌のクオリティは一期から極めて高いものだったが、前回から1年半の時を経て素晴…

「ひるね姫」の面白さを言語化するメモ:社会と居場所の2017年

※ネタバレ満載です!!!!既に鑑賞した人向けなのでご了承ください!!!!! ひるね姫は「社会」と「居場所」の物語だった。 神山監督が作ったオリジナルアニメーションに「東のエデン」(2009)という作品がある。3月29日に発売されたムック本「神山健治W…

21歳の春

21歳、春のくすぶり。やべえやべえ。焦り以外に何もないぐらい焦っているけど明確にやるべきことは何も見つからず、ただ目の前に大量に流れてくる弾幕をアウアウ言いながら追っている感覚がある。ストリームはキャリタスとかマイナビとかそういう場所からく…

週刊少年ジャンプと私

14歳の冬、週刊少年ジャンプ2009年2号を前にして、「ここで止めよう」と決意した。奇しくもその号はのちに大大大大ヒットを飛ばす「黒子のバスケ」の第1話が掲載された号だったが、私が定期購読をやめる決意をしたきっかけは黒バスではない。2009年3号のジ…

秋のインタビュー祭り〜音楽と人増刊「LiNK.」11/9発売〜

秋ですね。みなさんいかがお過ごしでしょうか? 秋といえば秋の夜長ですが、日が暮れてからの長い時間をどう使っていいやらお困りではないでしょうか? そういう時はやっぱりインタビューを読むといいと思うんですね。ウェブでも雑誌でも、会ったことのない…

オールタイム・BL漫画・ベスト10選

個人的な「好きなBL漫画」10作品のレビューです。 ※順不同 ・木村ヒデサト「鬼は笑うか」 鬼は笑うか (マーブルコミックス) 作者: 木村ヒデサト 出版社/メーカー: ソフトライン 東京漫画社 発売日: 2016/01/22 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を…

映画「サウダーヂ」感想

※ラスト含めネタバレ満載ですのでご注意ください。 小学生の頃、ルイス・サッカーの「穴」という小説が大好きだった。無実の罪でグリーン・レイク・キャンプという少年院に送られた主人公がえんえんと懲罰のために穴を掘り続ける話だ。死ぬほど好きだったは…

自分を巡るカルチャーと身体 第三回[正しい倫理子→千晶2]

第一回はこちら 第二回はこちら カルチャーと身体についての往復書簡、第三回目です。 ちょっと時間空いちゃって申し訳ない。ゼミ発表の準備に追われてました。学生の本分という感じがしますね。勉強は大好きだけど、時間がかかることはそれだけで大変だ。 …

自分を巡るカルチャーと身体 第一回[正しい倫理子→千晶1]

身体とはなんだろう? 棄てられないもの、好きだけど憎いもの、私を私たらしめているもの……身体について悩めば悩むほど、私は身体から逃げられないことを実感する。 身体の形は一人一人異なっていて、それを自分のなかでどう解釈しているかも一人一人違う。…

推しが死んだときに流すBGMをまとめた

完全に独断と偏見でしかないのだが、気に入っている曲のなかから「推しが死んだ」というシーンに合うものをピックアップしてまとめてみた。選曲は腐女子によるので、「推しカプの片割れが死んだ時」と言い換えたほうが適切かもしれない。なお、「衝撃からの…

私が許せなかった国と体、あるいはPerfumeという祝福について

※2015/11/23にnoteに投稿した記事の移行版。内容改変なし Perfumeワールドツアー3rdのドキュメンタリー「WE ARE PERFUME」を見た。Perfumeとは、何だろう?Perfumeの映画を見ながら、私は不思議と自分について考えていた。先にいっておくけど、私はこういう…

映画「ハーモニー」感想

※2015/11/13にnoteに投稿した記事の移行版 内容に変更なし ※この文章には、映画「ハーモニー」及び原作の多大なネタバレが含まれます。自己責任で読んでください。批判的な評価をしていますが、私個人の意見なのでそこを十分念頭に置いてから見てください総…

映画「屍者の帝国」感想

※2015/10/03にnoteに投稿した記事の移行版 改変なし ※この記事は映画および原作「屍者の帝国」ネタバレと、それに対する批判が多大に含まれますので、自己責任でご覧ください。 「屍者の帝国」を鑑賞してきた。「鬱病患者のオナニーを局部が映らないアングル…

プリパラ劇中歌レビュー 攻撃、意志、多様性

※2015/09/06にnoteに投稿した記事の移行版 内容改変なし TVアニメ「プリパラ」は、すべての少女をアイドルに変えるサイバー空間「プリパラ」を舞台にしたアニメーションである。あらすじから漂う気配の通り女子小学生がメインターゲットなのだが、ところがど…

宇宙王権論で読む「プリパラ」

※2015/08/18にnoteに投稿した記事の移行版 内容変更なし アイドルとは一種の権力である。人々の興奮を意図的に集める求心として、アイドルは確かに王だ。宇宙王権論とは、シェイクスピア作品や山口昌男が観測したアフリカの王政を例に持つ、「循環する王政シ…

「野火」を見てください

※2015/08/11にnoteに投稿した記事の移行版 内容は変更なし タイトル通りである。見てください。見なければいけません。 「野火」は、紛れもない反戦映画だった。一言も戦争はいけないなんて言葉は出てこないのに、あの映画を投げつけられて浴びてしまった私…

底抜けに明るい地獄「血界戦線」

※2015/07/15にnoteに投稿した記事の移行版 内容改変なし 血界戦線のどこが良いかと聞かれたら、それはやっぱり人間である。私は人間が好きなんだと思う。血界戦線ではちゃんと人間が人間で、社会が社会だから、より生々しい「倫理」が味わい深いのだ。血界戦…

物語世界構造/舞城王太郎「JORGE JORSTAR」の証明

※2015/06/12にnoteに投稿した記事の移行版 内容改変なし 物語は世界である。わたしたちの生きている世界と同じように、人が生き、暮らし、空が変わり、雨も降るし気温も上がったりする、そういう世界である。もちろんそうでない世界もあるが、それだって多元…

「ジョジョ」1部から7部までレビュー

※2015/06/03にnoteに投稿した記事の移行版 内容改変なし (ネタバレ有り、既読の方向け)第一部 ファントムブラッド第一部だけ読んで、これは最高の漫画だという人は少ないと思う。私自身も、一部のことは好きだが、物語としてぽんと一つだけ読んで面白いか…

「完璧な白い球体」の身体論

※2015/05/22にnoteに投稿した記事の移行版 内容改変なし 私たちの肉体は情報に満ちている。若い、きれい、肌の色、身長、社会的身分、性別。それらの要素によって私たちは相手への接し方を変える。相手の属性を規定し、その中で最も一般的であろうステータス…